「でも、どっかで勇気出さなきゃ」
「そ、そんなこと言っても……もし、連絡先聞くイコール『私はあなたのことが好きです』って意味じゃん……」
「そんなことないって。今の時代、連絡先聞いたからって、好きだってことにはならないって」
「でも、『なんで知りたいわけ?』って聞かれたら、それまでじゃない?」
「あー、まあ、それもそうね。常盤くん、そういうところありそうだし……」
こんな状況では、とてもじゃないけど、公生くんの連絡先を聞くなんて無理だ。
何か目的とか、具体的な理由があれば、別だけど、そんな理由なんてそうそうないし……。
「そうだ!」
明日菜がお弁当を持ったまま、ベンチから立ち上がった。
「ど、どうしたの、明日菜」
「勉強、教えてもらうっていうのは?」
「べ、勉強?」



