「優衣。あんた、あんな男のどこがいいわけ?」
「えー? 何て言うかなー、こう、クールで王子様みたいじゃない?」
昼休みは、大体、中庭で明日菜とこうしてお弁当を食べる。
『来栖 明日菜』。私の親友。
「あんな愛想の悪い王子様がいる?」
「いたんだよ、この高校に!」
私は、明日菜にだけ、公生くんのことが好きだということを話している。
そして、こうやって公生くんかっこいいよねーって話をするんだけど、未だに明日菜にはわかってもらえない。
「優衣って趣味悪いよね?」
「そうかなー? 話してみると、結構いい人だと思うんだけどなー」



