「ちょ、ちょっと、加持、それほんとなの?」
「あ、ああ……土曜日のこの時期に花火大会なんか早々ないやろ?」
「優衣!」
私は、明日菜に促されるよりも前にスマホを取り出していた。
「はーい、常盤です。ただいま、寝不足にしておりまして、ご用件は手身近に……」
「も、もしもし! 晴さん! 私です! 牧野です!」
「牧野? ……ああ、優衣ちゃんね! 久しぶりねー」
「こ、公生くんいます?」
「公生なら……あ、ちょうど風呂から上がったみたい」
私は、晴さんの「公生! 彼女から電話!」という声を聞きながら、なんて呑気な人を好きになってしまったんだろうと思った。
でも、そういうところも含めて、私は公生くんのことが好きなのだ。



