「あれは俺の持論や。やけん、俺の口から言った言葉に変わりないわ。大体、優衣、お前、友情もすべて投げ打ってでも、公生のことが好きでいられるか?」
友情もすべて投げ打って……?
「ほんまに好きな人っちゅうのはやな、その人が全てにおいて一番っちゅうことや。つまり、優衣が公生のこと好きなら、俺や明日菜は二番以降や。公生、俺、明日菜が崖に落ちそうになったとき、迷わず公生から救えるっちゅうのが、ほんまに好きっちゅうことやで?」
「そ、それはそうだけど……」
「その点、明日菜は、友情も何もかも捨てて公生を取りに行った。勇敢やんか。青春真っただ中で友達捨てるっちゅうんは、並大抵のことじゃできん。すごいことやと思うで?」
「で、でも、もし、明日菜が私を友達じゃないと思ってたら?」
「あほ。それやったら、今まで一緒に行動なんかしとらんわ。少なくとも、高校に入ってから優衣と出会って、それから優衣が公生のこと好きになって、それを明日菜に言うても、明日菜は優衣との友達やめんかったやろ?」
「そうだけど……」
「ええか?



