気が付くと、私は、公生くんの腕にしがみついていた。 「あ、えっと……ごめん……」 私が腕を離すと、その手で生くんは玄関の扉をばたんと閉めた。 「え?」 「どっちがいい?」 どっち? どっちって……。 「どういう意味?」 「俺がいたほうがいいか、そうじゃないか。選べよ」 ピカッ! ドドーンッ! 雷がまた鳴った。でも、怖くなかった。