「そう！ 常盤くんって頭いいじゃん？ その常盤くんに勉強教えてもらうの。それだったら、いいんじゃない？」
あの公生くんに勉強を？
「いやいや、そっちのほうがハードル高いって！」
「大丈夫！ 私も一緒にお願いするの。『私たちに勉強を教えてください！』ってね。それなら、優衣は、公生くんと仲良くなれるし、私は私で成績上がるし、一石二鳥じゃない？」
なるほど……確かにそれなら、具体的な理由もあるし、連絡先も、その勉強を教えてもらう流れで、聞こうと思えば、聞ける。
しかも、明日菜と一緒なら、心強い。
「確かに、いいかも……」
「でしょでしょ？ じゃあ、さっそく、放課後にでも聞いてみよ？」
「ええ？ い、いきなり過ぎない？」
「善は急げよ。それと、直接お願いするのは、優衣、あんただからね？」
「ええー！？」
「『ええー！？』じゃない。当たり前でしょ？ これは、優衣のためなんだから」
「私のため……そうだよね、うん……うん！ 私、頑張ってみるよ！」
