「やだっっ…。新っ。」 どんっ。 私は力まかせに高野先生を押した。 「優美ちゃん…、思い出したの?」 「はい。……全部。」 「……そっか。」 「すいません。私、新が大好きなんです。」 「…。知ってるよ。早く行けば?」 「……ぇ?」 「新君、待ってるんじゃないの?」 「あ!!!しっ…しつれいします!…て、先生、知ってたんだ。」 「さっき、すれ違った。あ、記憶も戻ったし、夏休み終わったら退院な。」 「はっ…はい。」 バタンっ。