それから、優美のお母さんは身の上話を始めた。
「優美はね、本当は妹が居たの。」
「ぇ?!でも、一人っ子だって…」
優美は、この間自分は一人っ子だと言っていた。しかしなんで…?
「あの子の妹と本当のご両親は、小学校の頃に亡くなっているの。」
「優美は……」
「そう。養子。私と旦那は神様に子供を与えられなかったの。何度も流産したわ。そんなときだった。私の旦那が同じ会社だった優美の本当のご両親と友達で、優美を引き取ってきたのは。」
「そうだったんですか。」
「えぇ。」
「でも、なんで優美だけ助かったんですか?」
こんな質問、無責任かもしれない。
でも……、聞かなければならない気がした。

