そんな事を考えながら玄関に向かった。
しかーし……



「鍵…かかってる。うそ?!」



日直の先生が玄関のドア開けてないなんて事、全然思いつかなかったし…。
いつも遅刻ぎりぎりで登校するから、いつ鍵が開くのとか知らない。


最悪ーー…っ。


「…て。あれって……。人?」



門にたたずむ 男の人。
身長がすらっと高くて、この高校の制服を着てる事は、すぐ分かる。


ただ…ーその人は俯いていた。

雨だから表情がわからない。

私は何故か分からないけど、胸がきゅっ…てなるのを感じた。

しばらくして、その男の人は、私にきずいた。


表情は……わからない。あ、だって、雨降ってるし…ね。



「あっ…、あ、あ、あああの……雨、濡れてますよ?」
にこ。


苦笑いになっていたと思う。
だって、いきなり目合うんだもーん!!


どれくらい見つめ合っていただろう。
すると、男の人は私に近づいてきたのだ。

ゆっくりと…。
地面は土と雨が混ざり合っている。
男の人は靴が汚れるのなんて気にしないで歩いてる。


「な…なに?!」