天井を見ていた顔が、急にあたしを見つめて


「わかった、それでいい!

でも、週1回はお菓子付き!

これでどーだ!!」


もってけドロボー!と言わんばかりの表情。



お菓子かぁ…


小夜ちゃんを見ると、お兄さんと同じく腕を組んで、週1回のお菓子かぁ…とあたしを見て悩んでいた。


お弁当は、もう決定ってこと?

お菓子を付けるかの問題になってない??




もう一度小夜ちゃんを見ると、捨てられた子犬のような弱々しい目で、あたしを見つめてて…


説得するって、その瞳のこと?!


対してお兄さんは、ニコニコとあたしの方を楽しそうに見てるし…


うーん…


お弁当かぁ…


毎日、作ってるから1こも2こもかわらないんだけど…

家族以外に作ったことないから…

お菓子も作るの嫌いじゃないけど、週1回って決められて作ったことないし…


うーん…

なかなか返事が出ない。




「無理だよね…

いいんだよ…

美雨に兄貴を体育館に連れて行ってもらわなくてよくなる。

美雨がお弁当作ってくれたら、兄貴がちゃんとお昼食べてくれるようになる。

そんな私の勝手な考えで、美雨に頼めないもんね…」



もぉ…

小夜ちゃん…

さっきのお兄さんと言い、そんな言い方されたら、断れないじゃない…


よし!!



気合を込めて大きく頷き、顔をあげて



「体育がある日の週3回。

そのうちのどこかでお菓子付き。

これで、お兄さんが体育にちゃんと出てくれるなら、あたしも頑張ります。

でも、本当に残り物と冷食ですよ?」


「うん!

美雨がつくってくれるなら、なんでも大丈夫!」


メガネの奥の瞳がとても優しく笑っている。

小夜ちゃんも、そんなお兄さんの顔を見て嬉しそう。




これで、小夜ちゃんの心配が少し軽くなればいいなぁ…

頑張るぞぉ!!