「そーだよね…

弁当はムリだよね…

美雨が作ってくれたら、体育頑張れそうな気がしたんだけど…」


ガックリと肩を落として、下を向いてしまった。


ごめんね、お兄さん…

残り物ばかりだし…


あたしまで悲しい気持ちになって、ココアを握りしめて下向く。



「美雨がお弁当作ったら、体育頑張るってホント?!」


お兄さんの言葉に噛み付くような勢いで聴き始めた小夜ちゃん。


さ、小夜ちゃん…?


すごい勢いで、ちょっと怖い…



「すごく美味しそうだったから、作ってくれたら頑張れそうな気がしたんだけど…

ムリなんだって…


あっ、気にしないで…

体育頑張れないけど、仕方ないから…」



そんな言い方されたら…



小夜ちゃんがさっきの勢いは、どこへと言うくらい、とっても真剣な顔と真面目な口調で


「兄貴、これは私にとっても美雨にとっても、かなり大切なことだから、はっきりして。

美雨がお弁当作ったら、これからの体育全部、遅刻もしずに最初から最後まで出てくれるってこと?」


小夜ちゃん…?



「うん、出る」



いや、お兄さんも…

あたし、何も言ってないんだけど…



「それは、持久走大会も含まれるよ?」



あ…

持久走大会…



わぁ…

嫌なこと思い出しちゃった…




「うん、それもちゃんと出るよ」



大きく頷いた。


えっ、嫌じゃないんだ…



「美雨がお弁当を作るのは、体育のある日だけ。

それでもいい?」



「えぇ?!

毎日じゃないの?!」



えっ?

毎日じゃないの?


お兄さんと同じツッコミを入れちゃった…



「毎日なんて、美雨にそんな負担はかけられない。

それでもいいなら、私からも美雨に頼んであげてもいい!」



なんか、あたしを無視してどんどん話が進んでるんですけど?



「う〜ん…

毎日じゃないのかぁ…

体育の日ってことは、週3回かぁ…」


腕を組んで、天井を見上げて真剣に考えてる。