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遅刻したけど、音楽の授業は無事受けられました!

授業が終わった昼休み。


「えっ?

クッキー、兄貴に持ってっちゃうの?!」

教室へ戻る途中で、小夜ちゃんにお兄さんのことを話した。

「約束してたのに、ごめんね。

機嫌の直し方がわかんなくて、つい…」


小夜ちゃんと一緒に食べる約束をしてたのに…


「クッキー、家では食べないのに…」

「最初は、食べないって言ったんだけどね…

あたしが作ったって言ったら、急に食べるって…」


「あぁ…

そーゆーことかぁ…」

何か納得した様子の小夜ちゃんだけど、あたしにはさっぱりわかんない!


「美雨のシチュー美味しかったから!」


「お兄さんも食べてくれたんだね!

よかったぁ…」

「一緒に食べたじゃ… あっ…」

ハッと口を押さえた小夜ちゃん。




一緒に…?


「一緒に食べたのシドさんだよ?」


「ごめん! そーだった。

熱があって、なんだかその辺の記憶が曖昧で…」


そーだったよね…

あのとき、かなりの熱だったのにあのあと迷惑かけちゃって…


「あのときは、ごめんね…

熱があったのに…」


「あぁ…

それはいいよ!

私のせいで満員電車に乗せちゃったんだし…」

二人で、シュンとなって廊下をトボトボ歩いた。