「先にシャワー浴びてくるね」
フラフラな足取りでバスルームに向かう。
「気を付けて。
あたし、シチュー温めておくね」
そう言うと、キッチンに向かった。
リビングに人影を感じて、ソファを見るとイケメンが寝ていた。
遠目で見ても、寝てる姿もカッコいい…
静かにキッチンに入り、夕飯の準備を始めた。
「はぁ、サッパリした!
すごくいい匂い!
本当に美雨が作ったの?」
キッチンをのぞきに来た小夜ちゃんが鼻をクンクンして近づいてきた。
「うん…
家族以外に作ったことないから、自信ないんだけど…
小夜ちゃん、出来たから座って」
シチューとサラダをテーブルに運んで用意する。
チラリとソファを見るとまだ、寝てるイケメン。
「小夜ちゃん、あのさぁ…
あの人も一緒に食べるって言ってたんだけど…?」
誰?
怪訝そうな顔であたしの指差すほうを見て、はぁ…とため息。
「お客さんがいるときは、部屋から出てこないのに…」
ブツブツ言いながら、ソファに近付く。
起こしてくれるんだ…
ホッとして、準備を再開。
「起きてよ! キャ… う…」
「ーーーー」
「ーーーよ?!」
「ーーーー」
「…わかった… うん…」
なにやら、話をしているようだけど、あたしのところには聞こえてこない。
なかなか戻らない2人に
「準備出来たけど?」
ソファのほうを伺うと
「美雨!
ありがとう!」
イケメンが爽やかな笑顔で起きてきた。
そのあとを、しかめっ面の小夜ちゃんが続く。
「小夜ちゃん?」
頭でも痛いの?
また、熱が上がってきた?
「美雨…
大丈夫だから…」
そう言うと席につく。
「いただきます!」
「いただきます…」
元気いっぱいの声と、テンション低めの声が重なり、苦笑いを浮かべてしまったあたし。
「美雨!
おいしいよ!」
ニコニコと笑顔を浮かべて、パクパクと美しい姿勢で食べていくイケメン。
その隣で、その姿をポカンと見つめる小夜ちゃん。
「小夜ちゃん…?
あの、こちらの方は、どなたなんでしょうか?」
あたしの問いかけに、ハッと我に返ったかのように見つめられた。
「あっ、あのね…
この人は…」
チラッと横を見て、またあたしを見る。
なんだか様子がおかしい?
「オレは、小夜の遠縁の親戚。
近くに住んでいるから、よく遊びに来るんだ」
小夜ちゃんが何も言えないのを感じたのか、イケメンがあたしの質問に答えてくれた。
親戚なんだぁ!
目元とか、声とか、なんか覚えがあった気がしたのは小夜ちゃんに似てたからだね!

