ギュッ…
急に背中が暖かくなった。
肩には、手が巻きついてる。
…あたし、抱きつかれてる?!
ふり返ろうにも、そうさせないと言わんばかりに力を込めている両腕にかなわない。
「さっき、オレがシチュー食べたいって言ったから?」
耳元でささやかれる。吐息が耳にかかり、カッと頬が赤くなるのを感じた。
「あっ、あの、そーですね、そこからアイデアをもらいました…」
何か作って帰ろうとは思っていたけど、何も考えていなかったから。
シチューは、温まってとってもいいと思ったんだ。
「すっごく嬉しい!
ありがとう…」
いやぁ〜!!
なに、その色っぽい声?!
何、この状況?!
頭がパニックになって、身動きさえ出来ない。
「夕飯、楽しみにしてるよ。
美雨も一緒に食べよ」
そう言うと、サッと身体を離してリビングを出て行った。
なんなの?!
てか、本当に誰なのですか?!
リビングのドアを見つめながら、急に寒くなった背中を思った。

