「何してるの?」
隠れたあたしのことを机の上から、見下ろした。
「進藤さんの高校での友達1号に、あたしをしてもらえないかなぁ?」
進藤さんを見上げると、真っ赤になりながらあたしを見て
「だから、私といるとダメなの!
酒井さんたちと仲直りしてきなさい」
かなり強い口調。
怒らせちゃったかなぁ…
いつものあたしなら、ここで何も言い返せなかった。
でも、さっきの寂しそうな進藤さんの表情が頭から離れなかった。
友達を大切にするって言葉も。
あたしは、星ちゃんと紗弥ちゃんを大切にしてきたかなぁ?
いつか2人が謝ってくれる、許してくれるって、甘えているだけじゃないのかなぁ…?
「仲直りしたら、友達になってくれる?」
「だから、私と一緒にいたら…」
「じゃ、一人でいい!」
プイッと横を向くと
「私と一緒にいると、クラスで…いや、高校の中で浮くよ?
わかってる?」
「お兄さんのことでしょ?
ちょっと聞いた…
でも、進藤さんとは関係ないから。
お兄さんなんだから関係ないことはないけど、進藤さんは進藤さんだから」
ここまで自分の気持ちを星ちゃんと紗弥ちゃんにぶつけたことがあったかなぁ…?
「新谷さん…」
「友達になってくれるなら、美雨って呼んで!
進藤さんのことも… ?
名前なんだっけ?」
名前も顔も覚えるの苦手なんだよね…
髪型や服装が違うだけで、わかんなくなるし…
「えっ、ここで?!
ここは、フツーさらっといくとこでしょ?!」
驚きながら、ふふっとキレイな顔に笑顔が浮かんだ。
「進藤さん、笑った顔初めて見た!
そっちのほうがいいよ!
せっかくキレイな顔してるのにもったいないから!」
「み… 美雨だって、かわいいじゃない!」
今…
「えっ?!
名前、呼んでくれた!!
友達になってくれるの?」
絶対ダメだと思ってたのに…
「やめるなら、今のうちだけど…」
小さな声で、真っ直ぐ見つめてくる目は、少し悲しそう。
「やめない!
友達一号でお願いします!
進藤さん、名前は?」
「小夜…」
さっきの笑顔がうそみたいに、無表情になってたけど、もうかまわない!
「名前まで可愛いんだね!
小夜ちゃん!よろしくね!」
あたしは小夜ちゃんと友達になれたことが嬉しくて、両手を頬に当てた。
絶対、あたし顔が赤くなってる!!
音楽室の中で騒がしくしてるあたしたちを見て、ヒソヒソ囁かれていることに気付いたけど、どうでもよく思えた。
そのくらい、小夜ちゃんと友達になれたのことが嬉しかった。

