そんな中に、小夜ちゃんはいた。

他の中学から来たってことで、あたしも名前は知っていた。


小夜ちゃんは、どのグループにも入らず、誰とも話さなかった。

いつも席に座り、しっかり前を見据えて座っていた。

近寄りにくいオーラがあったけど、とてもかっこいいと思ってた。


クラスの子は、みんないい子たちで酷いイジメなんてない。平和がこの学校の唯一のいいとこ。


でも、誰も小夜ちゃんに話しかけないのが不思議だった。


人見知りのあたしが話しかけることもなく、なんとなく過ぎて行ってたんだ。



*******



体育の授業は、バレーボール。

体育の先生は、バレー部の顧問の宮迫先生。


バレー部が強いだけあって、かなり怖い…


「来週はバレーのテストをやる。

2人ペアでオーバーハンドパス連続30回。

できなかったら、放課後できるまで居残りだから!」




えぇーーー!!!




体育館中に悲鳴のような、叫び声があがる。


もちろんあたしもその一人。