「美雨… 眠い?」
「いや、あの…」
何が正解?
眠い?
眠くない?
「今の気持ち、話してくれたらいいよ?」
頭の上から優しい声がする。
「正直に…
あの…
寝なきゃって思うんですけど…
緊張というか、ドキドキして…
今すぐに寝るのは難しいかなぁ、なんて…」
「クスッ、美雨は本当に正直だね。
オレもそう、すごくドキドキしてる。
オレの心臓の音聞こえる?」
あたしの後頭部がお兄さんの胸に当たった。
ドックン…ドックン…
私と同じくらい早く鳴っている心臓の音が聞こえてきた。
でも、あたしと同じなんだって思ったら急に安心して気持ちが落ち着いてきた。
「寝られなかったら、少しオレの昔話に付き合ってくれる?」

