ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話



片付けが終わってた小夜ちゃんと、部屋に戻った。


お菓子とジュースを机いっぱいに並べて、食べながらたくさん話した。


楽しくて楽しくて、気がついたら0時回ってる?!


「もうこんな時間じゃない?!

もう寝なきゃ!」

「楽しかったから、時間があっと言う間だったよ!

歯磨きしに行こ」


2階にも洗面台があって、二人で仲良く歯磨きしてると


「やっと、寝る気になったか…

待ちくたびれた…」


部屋からヒョコッと顔を出したお兄さん。


小夜ちゃんと楽しく話してたけど、心の片隅でお兄さんが忘れてくれてないか、先に寝てくれてないかって思ってたんだけど…


「美雨、約束忘れてないよなっ?」


「…はい…」


「じゃ、待ってるから!」




バタン…



「はぁ…」


忘れてくれてなかったぁ…



「美雨…

ムリしなくていいんだよ?

進級できたんだから、約束なんて守らなくていいんだから!」


小夜ちゃんがギュッと手を握ってくれた。


でも…

約束は、守るためにあるんだよ。


お兄さん、あんなに頑張ったのに約束破ることなんてできない。


「大丈夫。

一緒に寝るだけだから。

心配ないよ」




「…ありがと。

何もないと思うけど…

お兄ちゃんのこと信じてるけど…

もし何かあったら大声で叫んで!

隣の部屋だから、すぐに木刀持って行くから!」


木刀って…

小夜ちゃんの部屋にあったかなぁ…?


その気持ちが嬉しくて


「ありがと。

おやすみなさい」


「うん、おやすみなさい」


小夜ちゃんが部屋に入るのを見届けると、心を決めてお兄さんの部屋をノックした。


「どーぞ」


中から声が?!


って、当たり前なんだけど…



ドアを開ける勇気がなくて…


どーしよう…



ノックしたんだから入っていかないのは、おかしいよね…


でも、入っていったらあたしが一緒に寝たかったってことにならない?


いやいや、お兄さん待ってるって言ってたからそんなこと思われないよね…




ドアノブに手をかけながら、考えること数分…





ガチャ…




えぇ?!



ドアノブ勝手に動いたぁぁぁ!!



びっくりして後ずさり。


ゴン!!



廊下の壁にぶつかった…



ドアが開くと



「何やっ…」

「美雨?!

大丈夫?!!」



お兄さんが顔を出したかと思ったら、小夜ちゃんが隣の部屋から飛び出してきた。

あたしの肩を揺さぶりながら



「大丈夫?

どーしたの?」


「あっ、なんでも…」


なんでもない…

そう言いかけたところに


「大丈夫だから、心配するな。

早く寝ろ。

美雨、行くぞ!」


手をグッと掴まれると、部屋の中に連れ込まれた。



バタン…


ドア、閉まっちゃった…



「「………」」


どーしよう、この空気…


ノックしたのに入らなかったから、怒らせたのかなぁ…


何か言わなきゃ…


そう思った時


「ぶつけたとこ、平気?」


「あっ、うん…

大丈夫…」


後頭部を触ってみる。


たんこぶにはなってない。



「…オレ、真っ暗じゃないと寝られないんだけど、平気?」




ハッと顔を上げると、お兄さんに見つめられていて…



「へ、平気です」


家では、少し明りを付けて寝るけど、今日は状況が違う。



むしろ、真っ暗な方が何も見えなくて緊張しないかも…


「じゃ、消すから」


急に真っ暗になった部屋を手を引かれて歩き出す。





あたしをベットの淵に座らせると、お兄さんが先に布団に入った。


「入っていいよ」






ここまで来たら、心を決めるしかないよ!

「はい…」



ガチガチになりながら、なんとか布団の中に身体を入れた。


「クスッ、そんな端っこじゃ落ちるよ?

もっとこっち来ていいから」



おなかに手を回され、グイッと引き寄せられた。


「ヒャ……!!」

急なことで悲鳴をあげてしま…いそうになったのを反対の手で塞がれた。


「シッ!

静かにしてないと、小夜が来る…」



むしろ、来て!


その方がいいんじゃない?!


だって…



こんな密着、ムリだから!!!!