そのとき…
バタン!!
バタバタバタ…
バタン!!!
突然、リビングのドアが大きく開いた。
えっ、何…?
驚いて、椅子ごとひっくり返りそうになっちゃった。
ドアの先には…
とてもキレイな顔立ちの女の人。
「お母さん?!」
「お、お母さん?!」
小夜ちゃんの声にビックリして、あたしも思わず声をあげてしまった。
「小夜、ただいま!
美雨ちゃんだったわよね?
小夜から聞いてるわ。
いつも、この子達がお世話になっています」
肩にかけていた大きな荷物をドンと床に置き、丁寧に頭を下げたお母さん。
「と、とんでもございません。
あたしのほうがお世話になりっぱなしで…」
慌てて立ち上がり、机におでこが付くくらい頭を下げた。
「小夜だけじゃなく、宇宙もお世話になってるようで。
お弁当も作ってくれてたんでしょ?
本当にありがとうございます」
「とんでもございません。
お兄さんに食べてもらえて、嬉しいです」
「ひとみさん、そろそろ、ボクにも挨拶させてもらえませんか?」
後ろから、素敵なイケボが聞こえてきた。
「あら、ごめんなさい」
すっと、部屋の中に進んで、その隣に現れたのは、白髪交じりの髪のミドルガイ。
「オヤジまでいるのかよ…」
はぁ…と大きなため息を吐いたお兄さん。
オヤジ…?
お父さんってこと?!
こんな美男美女から、産まれた小夜ちゃん。
うん、納得!
「やけに早いけど、どーしたの?」
小夜ちゃんが驚いた顔。
そーだよね。
いつも、深夜にしか帰って来ないって。
「そーなのよ。
ちょっとトラブルがあって、これから出張になっちゃったの!
こんな時間だし、泊まりになるから着替えを取りにきたの」
頭を振りながら、大きくため息を吐いた。
「仕方ないよ、仕事だ。
それより、夕飯はどーする?
新幹線の中で食べるか?」
「新幹線の中は、書類に目を通したいわ」
「そーだなぁ。
出たら、食べてる時間がなさそうだなぁ…」
お父さんとお母さんが疲れたのか、ソファの背もたれに寄りかかる。
身長の高い二人がやると、とても絵になってる。
「あの、よかったら、一緒に食べませんか?」
「え? 何を?」
「勝手にキッチンを使わせていただいて、夜ご飯を作ったんです」
えっ?
二人は顔を見合わせると、ダイニングテーブルにやってきた。
「これ、美雨ちゃんが作ったの?」
「小夜ちゃんと一緒に」
また、二人で顔を合わせると空いている席に座った。
食べるってことでいいんだよね?
ちらし寿司をよそい、それぞれの前に出す。
「「いただきます」」
声をそろえ、きちんと手を合わせた。
その食べる姿の美しいこと。
それに見とれていると、
「美雨!
早く食べないとなくなるよ!」
ハッと気付くと、料理の半分がなくなっていた。
えっ?!
もうこんなにナイの!
食べきれないと思っていたのに?
お父さんとお母さんをもう一度見ると、食べる姿はとても優雅で美しいのに、そのスピードは驚くほど早かった。
「うちの両親、仕事が忙しくてゆっくり食事をしてる時間がないんだよね。
だから、とっても早食いなの!
しかも食べられるときに食べるから、一度にとんでもない量を食べるの」
そーゆーことなんだ…
小夜ちゃんの説明を聞きながら、目はドンドンと減っていくおかずとご両親のた食べっぷりに釘付けだった。
「小夜、お代わりをくれないか?」
お父さんが、茶碗を差し出す。
「私もお願い!」
その横からお母さんの茶碗も。
「あたしがよそいます」
茶碗を受け取ると、キッチンへ。
そっと、様子を伺うと
小夜ちゃんとお兄さんが負けじと食べ進めていた。
まさに圧巻…
見事な食べっぷりに関心してしまった。

