大きな袋を一つずつ持ちながら、帰る。
「やっぱり重くない?
オレ、持つけど?」
スーパーを出るとき両方持つって言ってくれたんだけど、あたしが持たせて欲しいってお願いしたの。
あたしがそー言うのを分かっていたのか、あたしの袋にはお菓子しか入っていなくて軽い。
「持たせてください。
シドさんこそ、大丈夫ですか?
かなり重いですよね?」
「このくらい平気だよ。
一応、男ですから!」
反対の腕に力こぶを作る仕草をしてくれた。
十分、男ですから…
かっこいいし…
「ただいま!」
バタバタバタ…
「美雨!!!
大丈夫だった?!」
階段を転げ落ちそうな勢いで降りてきた。
「大丈夫。
買い物行ってきただけだし」
「そーだけど…」
シドさんをギロリと睨む。
小夜ちゃん、怖いから…
「今日、コロッケにしようと思うけど小夜ちゃん好き?」
「コロッケ?!
好き好き!!
手伝うよ!」
さっきの目つきがウソのように、目がコロッケラブになってる。
「ありがとう!
作るのは難しくないんだけど、じゃがいも潰すの大変だから」
誰かと一緒に作るなんて久しぶりかも!
お母さん忙しいから、最近は一人だったし。
「シドさん、ありがとうございました」
「あぁ!
シドさん、ありがとう!」
わざと名前をゆっくり呼ぶと、荷物を受け取った小夜ちゃん。
「はいはい、じゃ、オレ、帰るから!」
「えっ?
一緒に夕飯食べていくんじゃないんですか?」
「あぁ…
ちょっと予定があるんだよね…
また、今度!」
髪をクルクルとしながら、帰って行った。
なんだ… 残念だなぁ…
「どーした?」
「あっ、うん…
今日は、お兄さんの入賞祝いだから、シドさんも一緒に食べられたらよかったのに」
「そりゃ、ムリだよ!
あっ?!」
「ムリなの?」
なんか小夜ちゃん、慌ててない?
目がキョロキョロしてるような…
「あっ、シドさん… バイトしてるの!
そう!バイトしてるのよ!
美雨のご飯食べたがっていたけど、残念だって言ってたよ!」
さっ、作ろとキッチンに向かって歩いて行った。
シドさん、バイトしてるんだ…
どんなバイトなんだろ…
ちょっと寂しいなぁ…

