スーパーで買い物の途中、ケータイが鳴った。
『美雨?!
どこにいるの?』
頭にキーンと響く大きな声…
「今、シドさんとスーパーに…」
シドさん、メール入れるって言ってましたよね?
横を見ると、バツの悪そうな顔でこっちを見てる。
代わってと手を出されたので、ケータイを渡す
「小夜、悪かったなっ。
…
悪かったって!
欲しいもの買って帰るから、言え!
…
うん… うん…
わかった、悪かったって!
じゃ!」
はいっとケータイが戻ってきた。
「はぁ… 耳がイテー…
美雨のことになると必死なんだな。
めっちゃ心配してた。
誘拐されたかと思ったって!
高校生、そう簡単に誘拐されないだろ?」
はぁ…
またため息を吐いて、ブツブツと小夜ちゃんの文句。
確かに、あたしも簡単には誘拐されないと思うけど、シドさんが連絡しなかったから悪いんですよ?
「シドさん…
買いすぎじゃないですか…?」
カゴの中に山のようなお菓子とジュース。
「小夜が、買ってこいって言ったものしか入ってない。
あいつ、夜中にどんだけ食べるつもりだよ?!」
小夜ちゃん、これは多いよ?
いつもこんなに食べてるの?
あんなに細いのに?