ダサい兄貴がいる友達と仲良くなる話





グイッと手の甲で、涙を拭うと


「お兄ちゃん、7位だったの!」

目を真っ赤にしながら、それでもハッキリあたしを見て言った。



その目はとても優しくて、顔全体が喜びに溢れていた。



7位…


体育もまともに出ないどころか、留年も危なかったくらい無気力だった人が…


7位…


去年は、148位だった人が…


言葉がなく固まった…


じわぁ…っと目頭が熱くなってくる。



「ビックリだよね…

同じくらい、みんなビックリしてた…

ゴール近くで、抜かれたサッカー部の人の顔見せたかったよ!」


小夜ちゃん…

こんなにステキな笑顔だったんだ…


「ゴールした後に、お兄ちゃんと話したんだ。

いろいろあってね…

本当にいろいろ…

お兄ちゃんあんなふうに変わっちゃったの。

その辺りのことは、またゆっくり話すね。

その原因を作ったのは、私だって気付いたの。

私がお兄ちゃんに、プレッシャーかけてたんだって。



でも、この大会をキッカケにまた変わろうとしてくれた。


ちゃんと謝りたかった。

私はどんなお兄ちゃんでも大好きだよって伝えたかった。



お兄さんが、約束通りちゃんと走ってくれてよかった…」


「小夜ちゃん…」

「お兄ちゃんもちゃんと聞いてくれてね。

こんなに話したの、何年ぶりだろう…

10位以内だったら、言うこと聞くって言ってたの覚えてる?」





約束…


約束?!



「あっっ!!」


「美雨? どーした?」


「お兄さんとの約束…」

「あっ…」


その一言で全てを理解したのか、すご〜く分かりやすく申し訳なさそうな顔をする。


そーだよね…

約束は、約束だもんね…


料理を作るのはいいんだよね…


でもなぁ…

そのあとが、あたしには未知の世界で…