ストロベリーキャンドル






「…」




実際にそうだった




ファーストキスも初めて寝た相手も別に好きな人じゃなかった




その頃のわたしは一番荒れていた時代




「そんなんじゃ、戻れなくなっちゃうよ?」




どこにとはいわなかった




でも、なんとなくわかった




その場所は普通の人間が生きていく場所…




わたしみたいな人間には眩しい場所…




でもいつかその場所で生きていきたいって思う場所…




でも今のわたしは素直になれなかった




「…別に、今のままでも誰にも迷惑かけてません」




「そうだね、でもね覚えてて」




わたしは先生の方を向いた




「そんな自分のことに無頓着な白木さんのことを心配してる人がここにいるってこと」