ストロベリーキャンドル






「風邪、治ってよかったね」




「はい、ご心配おかけしました」




「ううん、寝込んでるとき電話してごめんね」




先生はわたしが休んでる間、必ず1回は電話をくれていた




ちゃんと寝ているか、ご飯はしっかり食べているか、体を温めているか…




お母さんみたいな電話だった




最初はめんどくさかったけど、風邪を引いて誰かに心配されるのは初めてだったから




その気遣いが嬉しかった




「いえ、なんかお母さんみたいでおもしろかったですよ?」




「え…お母さん?」




先生は困ったように笑った




「でもほんと良くなってよかったよ!休んでた間の授業やる?」




「いえ、何となく分かるんで大丈夫です」




「ふふ、さすが優等生。」




…優等生か




それを目指していた頃を少し思い出しかけたけどやめた