ストロベリーキャンドル






あの人がいなくなったリビングは静かになった




「空…こっちにおいで」




わたしはゆっくりお父さんに近づいた




お父さんの前に立つと、お父さんはわたしを抱きしめた




「最近あまり会えてなかったな…ごめんな」




ぎゅっと抱きしめる力が強くなった




「ううん。」




とわたしは頭を振った




「どうしたんだ、お母さんから聞いたぞ?最近部屋にこもってばっかりだって…」




お父さんが出す優しい声に全て話してしまいそうになった




でも仕事で忙しいお父さんにこれ以上心配をかけたくなくて何も言えなかった




「遼のことも…」




わたしはビクッと反応した




「あんなことしたかったわけじゃないんだろ?空はそんなことしないもんな…でもな、赤ちゃんはすごく弱いんだ。だから慎重にあやさないといけない…お母さんがあんなふうに強くいったのはそういうことだ」




わたしは黙ってお父さんの話を聞いていた




「…お母さんのことも許してやってくれ。お前が憎くて叩いてるわけじゃないんだよ」




…え?




「…知って、たの」




わたしが叩かれていること。




「わたしがあの人のストレスのはけ口にされていること…」




「ストレスのはけ口にはしていないだろ。お母さんからは教育のためだって聞いてるぞ?」