わたしの本当の母親はわたしが生まれてすぐなくなったらしい





これはわたしが産まれる前、お父さんとお母さんの出会いのお話ーーー。





父と母の出会いは大学生の頃。同じ学部の同級生だった




父は頭もよく明るい性格だったから男子からも女子からも人気者でいつも大勢の人に囲まれていた




母はとても大人しい性格で、なにより美人で学校のマドンナ的存在だった





同じ学部でも性格などの違いもありお互いの存在を知ってる程度だった




でもあるとき父は母が男の人たちにナンパされているところに遭遇した




母はとても困っているように見えて声をかけた




「あー!ここにいたんだ、高城(タカシロ)さん!」




「え?」




「次の授業一緒に行こっていってたのにいなくなっちゃってるんだもん、ほら早く行くよ」




母の手を引いて男の人たちから離れる




しばらくそのまま歩いてから手を離した




「ごめんね、急に」




「いえ、ありがとうございました。助かりました」




母は頭を下げた