十夜が優しく抱きしめてくれた
わたしはその腕にすがりついた
…わたしはどうすればいい?
あの子のために何ができる?
わたしはこうやって人の優しさに甘えることしかできない。
あの人に言い返すこともできない…
「…っ、こんな自分、嫌だよ。」
強くなりたい。
大切な人を守れるように。
遼を守れるように…
「…強く、なりたいよ…」
十夜は力強く抱きしめてくれた
わたしはどんなに強がっていても弱い人間。
何か言われる度に本当は傷ついている
今までその傷を見てこなかっただけ。
ねえ、遼…
お姉ちゃんはあなたに何をしてあげられる…?
わたしは自分の無力さを嘆くことしかできなかった…
