ストロベリーキャンドル






「あいつ、お前に会うために勉強頑張ってるみたいだったぞ?」





「え?」





「勉強頑張って、いい点数が取れたらきっとお前が褒めてくれる。自分がいい子だったらお前が会いに来てくれるかもしれない、だから頑張るんだっていってた」





「遼…っ」




十夜はわたしの頭の上に手を置いた




「お前にとってあの家で家族が遼だけだったのと同じように、遼にとっても家族っていえるのはお前だけだったんじゃないか?」




「…うっ…ふっ…」




わたしは泣いてしまった




自分が弱いから逃げた




自分のことしか考えず、遼の気持ちを考えずあの家から逃げだした




そのせいで遼はストレスを抱えてまで勉強した




わたしに会うために…




あの人がいったことを間違いじゃない。




わたしが遼を病気にさせた…苦しめた…