ストロベリーキャンドル






あの人がきっ、とわたしを睨んだ




「あなたを心配?誰のせいで遼が倒れたと思っているの?!」




わたしは両手をぎゅっと握りしめた




「全てを遼に押し付けて家を出ていったのはあなたでしょ?遼はそのプレッシャーでストレスを溜め込んで病気にまでなってしまったんじゃない!!どうしてくれるのよっ!!!」




わたしを金切り声で怒鳴った




「…すみません。」




わたしはもう謝ることしかできなかった




「…はやく、出ていってちょうだい。もうここには来ないでっ!あの子に近づかないでっ!!」




わたしはもう我慢できなかった




あの人に、わたしの母親である人に頭を下げて病室からでていった




「空っ!!」




後ろから十夜の声が聞こえたけどわたしは振り返らずに走った




全てを拒絶するように。