しばらくその睨み合いは続いていたけど、最後は十夜の方がおれた




「ちっ、分かったよ!」




「橘さんも来てくれる?」




先生はいつもの声の高さに戻って橘さんの方を振り向いていった




「え?」




「白木さんの側にいてあげて」




橘さんはわたしの方をみて




「はいっ!」




といった




「じゃ、行こうか」




そういって先生はわたしの腕を掴んでいた手を離した




力強く握られていたから感触が残ってる




わたしはその腕を片方の手で掴んだ




…大丈夫。




十夜も橘さんも、それに先生も居てくれる。




わたしは少しずつ落ち着いていった





それから4人で先生の車が止めてある駐車場に向かった




「道案内は任せたよ」




「分かってるよ!!」




助手席に十夜、後部座席にわたしと橘さんが座った




「じゃ、行くよ」




車は病院に向かって走り出した