「その手離してくれますか、急いでるんです」
「こんな状況の白木さんをどうするの?」
先生の声が低い。
わたしのこと心配してくれてる…
「こいつの大事なやつが倒れたんだよ!だからこんなとこであんたに捕まってるわけにはいかない!!」
「倒れた…?!」
橘さんがいった
「だったら余計に落ち着かなきゃいけないんじゃないの?こんなパニクってる白木さんを連れて君に彼女を落ち着かせることできるの?」
「っ、俺は…!」
「送るよ、その病院まで」
わたしは先生を振り返った
「え…」
「車でいった方が断然早いでしょ。向かってる間に落ち着けるかもしれないし」
十夜は先生を睨んでいる
十夜が睨んだら怖いのに…と頭のどっかで考えていた
でも先生は全然怖がってなくて、むしろ先生も十夜を睨んでいた
