「で、話って何?」
わたしはついて早々聞いた
「あの、その。…この前はほんとにごめん。」
久住くんは頭を下げた
「あのときの俺、おかしかったんだ。里中に嫉妬して…」
わたしは先生を呼び捨てにしたことに眉をぴくっと動かした
「あいつに…空に近づくなっていわれたけど、謝りたくて…」
わたしははぁ、とため息をついた
「もう、いいよ」
「でも、」
「これ以上謝られても迷惑。…わたしは早く忘れたいんだから」
久住くんは俯いた
「好きでもない人と付き合ってたわたしも悪かったよ…」
久住くんはわたしの顔を見た
目を合わせることは出来なくてわたしはすぐそらした
「だから、もう忘れて。全部」
それじゃ、といってわたしは久住くんをその場において教室に戻った
今の久住くんに何をいってもたぶん理解してくれない
頭に血が上るのが早い人はしばらく距離をおいた方がいいことは経験でわかる
時計を見たらあと10分で午後の授業が始まる時間だったからお礼は放課後に行くことにした
