「ね、"空"って呼んでいい?」
わたしはもう何も断れなかった
いつもの笑顔を見てもさっきのがまだ忘れられない
「…いいよ、」
「ありがと、じゃあ俺のことも"大雅"って呼んで?」
わたしは黙って頷く
久住くんはもう一度わたしを抱きしめた
「ね、今日練習見に来て?俺ちょー頑張るから!」
「…わかった」
そのあと久住くんはしばらくわたしを抱きしめたままだった
体が緊張してる
心配…
先生と同じことをいっているはずなのに
なんで…
先生にいわれたときと気持ちが違うんだろ…
この人がいうと怖く感じる…
抱きしめられていてもずっと不安しか感じられなかった…
