〜 遥 視点 〜
湊人と話をして、湊人の気持ちを聞いた
だけど、僕は信じられなかった
蓮華さんより僕を好きだったなんて……
「遥……今更だけど…
本当にあのときは、ごめん…!
俺は、遥を傷つけて……
遥には、本当に酷いことをした……!
でも、これだけは言わせて欲しい…
ずっと……遥のことだけを想っていた
遥が今でも好きなんだ…っ!」
そんなことを言われて……
僕が信じると思う?
好きだった?
愛してる?
そんなの僕の中の湊人は、もう全て偽りの言葉にしか聞こえない
あの頃………
湊人は、僕じゃなく蓮華さんを見ていた
それが、すごく傷ついた
僕を愛しそうに見つめる瞳は……
僕を通して、蓮華さんを見ていた
僕は、蓮華さんという人の代わりにさせられていたのだと……
「湊人、もうやめようよ
僕と湊人は、もう終わったんだ
湊人が何を言っても無駄だ
あのとき、僕を捨てたのは湊人自身なんだ
もう一度、僕と戻りたいなんて出来るわけないでしょう?
僕は確かに湊人が好きだった……
すごく愛していた…
だけど、そんな感情は過去のものだ
僕は、今……
司っていう…大事な人を見つけ両想いになれたんだ
僕はこの気持ちを大事にしたいんだ
司を不安にさせたくない
今だって、一人で
僕が湊人とよりを戻さないか不安に思っていると思う……
僕が司の立場なら、きっとそうだから…
湊人、僕……湊人に振られて、すごく悲しかったけど…
司に出逢えて、幸せなんだ……
湊人、もう……僕を解放して…」
湊人を殺したい気持ちはある
だけど、司のことを考えたら……
僕は、司といられなくなるし
僕が湊人を殺したことで、司が僕がまだ湊人を好きだから…って思うかもしれない
僕は、そんなの嫌だから……
湊人とは、これっきりにしたい
「………そうだよな…
俺は、遅かったんだよな…
うん!分かったよ、遥……
俺は、もう……遥に会わない
遥に迷惑かけないよ…」
湊人は、自分の頬をバシッと叩くと
僕が昔、大好きだった笑顔を見せて言った
「じゃあ、俺は行くよ…
司くんが首を長くして、遥が戻ってくるの待っていると思うからね」
湊人は、ソファから立ち上がり
玄関に向かって行った
僕は、その後を追いかけ
湊人と最後のお別れをした
「大好きだったよ、遥……」
「僕も大好きだったよ…」
湊人は、笑顔で僕に手を振ると
そのまま玄関から出て行った
湊人………
本当に大好きだった……
僕は、湊人を想う気持ちを消え去り
司のことを考えた
司……
遅いな……
僕がまだ湊人と話してると思ってるのかな〜?
僕は、司が心配になり
靴を履いて玄関から飛び出した
熱あるんだから、外に出るな!!……とか司に言われるかな〜?
フフッ。僕……司が僕を心配してくれるとこ大好きなんだぁ〜
僕はしばらく歩いていると、司らしき人を見つけた
「つか………さ…?」
僕は司を見つけ、走って司に抱きつこうとしたら……
司が誰かと抱き合っていた
僕は近づいて、誰と抱き合っているのかを確認すると………
「…嘘でしょう……」
僕がこの世界で、最も嫌いな人物……
蛍を抱きしめていた
それも、ただ抱きしめているだけじゃない
司は、僕だけにしか見せない表情だと思っていた…
愛しそうな顔をして蛍を抱きしめていた
司………
なんだよ、それ……
僕を……愛していたんじゃないの…?
また、僕は……
誰かの代わりにされたの……?
しかも、今度は……
僕が最も嫌いな女……
司……
僕は……蛍の代わりにされたの……?
そうして僕は、司に振られた……

