私の中にあと二人いる 【 番外編2 】




〜 湊人 視点 〜




「今まで来れなくてゴメンな、蓮華…」




俺は蓮華の墓に花を添え、蓮華の墓に話しかけた




「怒ってるか…?

光輝には、怒られたよ…
蓮華の墓くらい来いってな…」




蓮華の墓は、汚れているところがなく
光輝が綺麗にしてくれていたのだと一目で分かった




「今でも光輝は、蓮華のこと愛しているよ…
本当にお似合いだよ、お前ら…」




誰が見てもお似合いの二人……
俺が二人の間に入る隙なんてなかった…




「今まで、言えなかったけどさ…
俺、蓮華のこと好きだった

あっ…過去形じゃないね…
今でも好きだよ

昔は、恋愛感情として
蓮華のこと好きだったんだ…

だけど今は違う…
蓮華は俺の可愛い妹みたいな感じで好きなんだ」




昔の俺は子どもだったんだよ…
嫉妬ばかりして、蓮華に告白する勇気もない弱虫だった…




「俺さ……
昔は、酷いヤツだったんだよ

これを知ったら、蓮華は俺を嫌うほどのことをしたんだ…」




蓮華はいつも俺に優しいって言っていたけど…
あの頃は、優しさなんて全くなかった

蓮華たちに見せてた俺は…
偽りの俺だったんだよ…




「出来ることなら……
あの頃に戻りたい…っ

蓮華がいて、光輝やみんながいて…
馬鹿なことやったりして…


そして……
遥に…」



「僕がなんだって〜?」



「……っ!?」




後ろから陽気な声が聞こえ振り向くと…

あの頃と変わらない可愛いらしい外見と
前より色気が増している……遥がニコッと笑って立っていた




「遥……」




な、なんで…ここに…




「僕のこと…
覚えていてくれてたんだね…湊人…」




遥は、悲しそうに笑うと
俺を見つめて名前を言った




忘れられるわけない……

俺はずっと…




「それ、蓮華さんの墓だよね…?
湊人がずっと想いを寄せてた人…」



「遥……」




どうしてお前がそれを……
なんてのは聞かない

違う街にいても遥のことは噂で色々聞いていた

遥は蛍という子から創り出された人格で
その子が恭也くんの恋人になったことを知っていた


少なからず、遥は蓮華の存在を
他の鳳凰にいた人たちから聞いていたはずだ




「湊人……
僕、今……すごく幸せなんだ…

ずっと想いを寄せていた人と恋人になれたから…」




遥は嬉しそうに笑うと
俺に少しずつ近づき、抱きついてきた




「だからさ……

僕の幸せを邪魔するな!」




遥はさっきまでの穏やかな表情は消え…

怒り狂ったような表情で、ズボンのポケットから折りたたみ式のナイフを取り出し俺の心臓に向かって突き刺そうとしていた




「遥…っ!
お前、何やってんだ!!」



「……っ!光輝!!」




遥が俺の心臓を突き刺そうとした瞬間…
光輝が目の前にいて、ナイフを掴んでいた遥の手を握っていた




「離せ、光輝…っ!!
僕の邪魔をするなら、光輝も殺すよ!」



「何考えてんだ!」



「……っ…」




光輝は、遥の頬を強く叩いた
光輝はナイフを遥から奪い取ると、自分のポケットにしまった