私の中にあと二人いる 【 番外編2 】




「アキラの考えてること、手に取るように分かるよ〜

湊人が僕の視界から離れるまで時間を稼ぐつもりなんでしょう〜?」



「…………」



「でもね、アキラ〜
僕を怒らせて、アキラに得があるのかな〜?」



「……っ……」




遥ちゃんは、私に近づくと
私の耳を弄るように触ってクスッと笑った




「アキラ〜
僕が本気になれば、アキラなんか簡単に落とせるんだよ〜?

前に僕が恭也に言ってたこと覚えてるでしょう〜?」




覚えている…
遥ちゃんは、人を操ることが出来る

誘惑でも、そうだ

良太みたいに、人格を壊されて
遥ちゃんの下僕にされるかもしれない


だけど、離したら……




「あーあ、湊人が行っちゃうよぉ〜
仕方ないなぁ〜

湊人は見逃してあげるよ」



「ほ、本当ですか……?」




遥ちゃんが湊人さんを見逃すわけがない
この言葉は嘘だ




「ホント、ホント〜
でも代わりに、アキラに僕の不満をぶつけるよ〜?

それでもいい〜?」



「…………ええ、それで構いません」




湊人さんを殺す以外なら
私は何だってする

遥ちゃんを止めるには、私が犠牲になるしかない




「へぇ……

湊人を逃す代わりに自分を犠牲にするのか〜
湊人のこと、そんなに好きじゃないんでしょう〜?

なんで、そこまでするのかな〜?」




「好きですよ
私たち、二代目にとって湊人さんたちは
憧れです」




あの人たちには、敵わない
だから憧れている

嫌いなわけない
私たちの尊敬する人物だ




「…………もういいや〜
湊人の話は終わり〜

さあ、アキラ…
今からホテル行こっか?」



「…………はい…」




遥ちゃんは、ニコッと笑うと
私の腕を引っ張り、一緒に倉庫から出た

私はこれからどうなるのか想像つかないまま、遥ちゃんについて行った