「あー…洸はここにいるにはいるけど…
いないともいえるんだよね〜」
『えっ…?ど、どういう意味ですか…?』
女の人は、ボクの顔をメイクしながら
歯切れの悪い言い方をしていた
洸くんは、ここにいる?
えっ…?
で、でも…
見渡す限り洸くんの姿はどこにもない
「まあまあ、そこはおいといて
こっちに集中してよ〜」
『あっ…す、すいません…』
折角、ボクにメイクしてくれているのに…
ボクは女の人に変な態度をとってしまい
すぐに謝った
ボクは、しばらくそのまま動かず
黙って女の人の顔を見ていた
やっぱり…
洸くんと似てない…
この人が言っていた言葉は
義理の兄妹ってことなのかもしれないな…
「はい、出来たよ〜」
『えっ、もう…!?』
まだ始めて数分しか経っていない
本当に終わったのだろうか…?
世の中の女性はメイクをする時間は
数分なのかな…?
『お、お客様…っ!!
見違えるほど、お綺麗ですよ…っ!!』
店員の方は、ボクの顔を見て
すごく驚いていた
いや、興奮していたの方がしっくりくるかもしれない
今のボクの姿、そんなに変わったのかな…?
店員は、ニコニコ笑ってボクに小さな手鏡を渡してきた
一体…
どう変わっているのだろう…
ボクは、ドキドキしながら
手鏡を覗いた

