「蛍、もうその話はいい」
「恭也……」
恭也は、珍しく他人の話に口を挟んだ
私は、そんな恭也に驚き
私は、光輝さんには言いたくないことがあるのだと恭也の表情で気づき
光輝さんに、それ以上何も迫らないと決めた
『いいんだよ、恭也
俺が話したいだけだから…』
「兄貴……」
光輝さんには、何かあるのかもしれない…
結婚指輪のこと……
その彼女のこと……
『死んだんだ…
この世で一番大切な人が……
だから……
結婚は出来ないし、したくないんだよ
俺は、アイツしか……
アイツとしか結婚なんてしたくないんだ…』
死んだ……?
光輝さんの彼女が……?
ああ……っ!
私っ!なんてこと…っ!
「す、すみ……………」
『謝らなくていいよ!
俺が話したいだけだったし
蛍ちゃんが俺に謝ることなんて何もないんだからさ!』
「で、でも………っ!」
『それに、蛍ちゃんに謝られると俺が辛い…
蛍ちゃんは、俺が愛した人に似てるからさ』
光輝さんは、私が謝らろうとしたのに気づいたのか
手を横に振り、謝らないで…と言ってきた
私が、光輝さんの愛した女性と似ている…?
『なんか雰囲気が似てるんだよね…
いや、性格が似てるのかな…?
なんか、優しく穏やかなところが似てるんだよ
………あっ!
これ以上言うと恭也が怒るから
もうやめるね!』
「光輝さん………」
『ん?なんかアッチ……
より空気悪くなったような気がする』
光輝さんは、遥たちの方を指差し
私にそれを伝えてきた
私は、それ以上光輝さんに何も言わなかった
光輝さんもそれ以上聞いてほしくないんだと思ったからだ
光輝さんが愛した女性……
どんな人だったんだろう……
私は、光輝さんがこんなに思っている女性が少し気になった

