〜 司 視点 〜






遥と昴がホストの仕事を始めて、三日……

昴が女の匂いなどに当てられ寝込んでしまった



俺よりも女が苦手の昴は、女が必要以上に近づくと蕁麻疹を出すくらい
女に近づいてはいけない身体だった


その分、遥が頑張っているみたいで
No.1も簡単に取れそう〜と言っていた



遥は、一ノ瀬組の事件があってから
昔の遥に戻りつつあった……

人を誘惑して、楽しんでる、遥に………






「ただいま〜、司〜!」



「おかえり」






いつもなら、遥が家にいて俺を出迎えてくれるが……

最近は、遥の方が帰りが遅いから
俺が遥を出迎えていた







「ねぇ、司〜
聞いてよ〜」




「なんだよ?」





遥は、俺の隣に座り
俺の肩に頭を置くと、疲れたような楽しいような分からない表情と声で俺に話しかけてきた







「今日さ〜

僕を初めて指名した女がいてさ〜
その女が僕のことを……


可愛い坊や……
お姉さんが相手してあげるわよ♡

とか言うんだよ〜?


馬鹿だよね〜
僕の方が明らかに年上なのに
坊やとか言ってさ〜

僕、ムカついたから
可愛らしく唇を奪ってやったんだ〜


そしたら、その女
僕にメロメロになってさ〜

ホント馬鹿な女だよ」







「お前………
やり過ぎるな…って言っておいただろ…」




「ちょっとキスしただけだよ?」




「お前のちょっとは…
俺らが考えてる、ちょっとじゃねぇんだよ……」






忠告しておいたのに……

やっぱり、コイツには意味がなかったか……






「…………お前が坊やなんて言われるんだな?」



「僕、店では可愛い男の子らしいんだよ〜

自分では、可愛い男の子を演じてるつもりはないんだけどね〜?」






お前の場合、演じてるとかではなくて…

見た目が20代の可愛い外見をした男にしか見えないから


そう言われてるんだろう……






「僕、可愛い?」



「…………」




「ねぇ、司〜
僕って、可愛い〜?」




「…………自分で分かってんだろ」




「司の口から聞きたいのっ!」






また、甘えてきた……






遥は、女の相手をすると
相当、神経を使うらしく……

俺に癒しを求めて甘えてくる



俺は、そんな遥を無視しようと思うが…

そうすると、遥は変な拗ね方をするので
無視は出来ない







「………ああ、もう…可愛い…よ…////」








恥ずい……っ!

この年で妻に愛を囁くとか……っ!


マジで、恥ずい…っ!








「可愛いよ、坊や……って言って?」




「…………そんなこと言えるか!
男が言うとなんか…変態くせぇだろ!」




「変態でもいいよ!
司が変態でも、僕は受け入れるよ!」




「……………っつ…か、可愛いよ…坊や…////」




「うふふっ////」






俺がそう言うと、遥は頬を緩ませて
俺に抱きついてきた








うふふ……じゃねぇよ…////!!








今日も俺は……

遥に振り回されるのであった……