私の中にあと二人いる 【 番外編2 】




〜 迅 視点 〜





『わぉ……』



「……まだいたんですか…」







キッチンの方で一人、楽しそうに料理を作る遥を見つめていたら…

上半身裸に濡れた髪で現れた色男は…
俺を蔑むかのような冷たい表情で見て言った





『さっきと態度が違うね……
ちょっと冷たいんじゃない?』



「それは、あんたもだろ?
最初会ったときとは、だいぶ雰囲気が違うぞ」





色男は、タオルを手にして
濡れた髪を拭き、俺と顔を合わせようとしなかった





『遥と俺の関係が気になる?』



「……………」






色男は、俺の言葉に動きを止めると
真っ直ぐ俺を見つめてきた





「いいえ
気になりませんよ」






嘘つくなよ、色男…

明らかに動揺してるだろ


まあ、動揺するのも無理ねぇな

遥だからな


男が何人、遥の虜になったか……







『俺、遥のこと好きなんだよ』



「………………」



『だから、俺に遥をくれねぇ?』






さあ、どういう反応を見せてくれる…?







「……………はい、あげます…と
簡単に言うと思いますか?」





色男は、迷うことなく
真っ直ぐに俺を見つめ言った

その声に少し怒りを表していた







『正直言うと
あんたは邪魔なんだよ

遥は、自由な女だった
それでいて、強い女だった


でも、今はどうだ?
あんたに縛られ、虚勢をはる女になってしまっている


あんたは、遥を愛することが出来ても
幸せにすることは出来ない

遥を手放せ』







誰かを愛せば、それは自分の弱点になる

それが両想いなら尚更だ


嬉しいこと、楽しいことあると思うが同時に

辛いことや悲しいこともある



遥は、恋愛をしたらダメなんだ

遥や俺みたいなタイプは、愛を追いかけるだけでいい


偽りの愛でいいんだよ