私の中にあと二人いる 【 番外編2 】





『老後の費用だな』




「プッ。それでお金集めてたの〜?
若いうちに、そんなこと考えてお金集めてる人、なかなかいないよ〜」





『俺はこのまま一人で生きていくつもりだからさ
やっぱ、金ないと将来不自由だろ?

遥が一緒にいてくれるなら
老後の費用、遥の分も払ってやるぞ?』





「ちょっと、やめてよ〜
僕まで年寄り扱いしないでよ〜」





『見た目が20代くらいに見えても
今、40代くらいだろ?

なら、考えてもおかしくねぇぞ』





「僕は、まだまだイケますぅ〜

それに、いざとなれば……
知り合いの発明家に若返る薬を作ってもらって、飲むよ〜」





『なんだよそれ
俺にもくれ』




「一億円で手をうってあげる〜」




『ぼったくるな』




「痛っ…!」







迅は、興味深々に僕の話を聞いた後
僕の言葉にムカついたのか、頭をバシッと叩いてきた






『……………なあ
マジで、一緒にいようぜ…?

お前となら、すげぇ稼げると思うし
心を休められる…


お前は、こんな家族ごっこで満足出来るか?
退屈だろ?

夫の帰りを待つだけの日々……
俺なら、退屈すぎて家を出るぜ?


なあ、マジで俺と一緒にいよう
退屈だと思えないほど、楽しい人生にしてやるからよ』





「……………退屈…ね…」







確かに、退屈だ……

一人で家にいて、司の帰りを待っているだけの日々……


昔の僕なら、絶対に今の状況を受け入れない

縛られている人生なんて……



僕が、一番嫌いなものだからね……



だけどさ……







「幸せなんだよね……」







これが僕の望んでいた夢なんだ……



僕を愛してくれる夫がいて
その夫との愛の結晶……子どもがいる


僕が欲しかったものなんだ……


束縛は嫌だけど…
その束縛も甘い縛りだから、問題ないんだよ……