『辰也のヤツ、オモチャを見つけたんだよ』




「それは聞いたよ
そのオモチャって?

辰也くんのことだから……
オモチャは、モノではないんでしょう?」




『お前聞いたよな?
俺と辰也との関係って何か?って…』




「うん。言ったね〜」




『俺は、辰也に依頼されたんだよ
女を堕とす技術を教えてくれ……と…』




「うわぁお!

まさか、辰也くん
好きな女でも出来たの!?」





『本気で言ってる?』





「まさか!
冗談だよ〜

辰也くんが惚れる相手なんて一生現れないんじゃない?

愛するとしても、それは……
都合のいい道具として愛するでしょう〜?」






あの冷酷な辰也くんに
好きな女なんて出来るわけがない

利用するために近づくなら分かるけどね……






「あれ?
でも、そういう仕事は辰也くん自分からしないはずだよね〜?

恋愛とか人を堕とすことは、照くんに任せているはずじゃなかった?」






『ああ…
そうだな

でも、辰也のヤツは
自分から堕とさないと意味がないと言って俺に依頼してきた

何でも、その女に用事はなく
その女の兄を利用したいらしくてな…


妹を溺愛している兄は、妹のためなら何でもするヤツらしくて
辰也がその女を利用して、その兄を自分の思い通りに動かしたいらしい


照がその女を堕としても
その兄に返り討ちにされる可能性があるから…

自分が堕とさないと意味がないってさ…』





「そんな計画を考えてるなんて……
やっぱり、怖いね……辰也くんは」







辰也くんに目をつけられた兄妹……
可哀想に〜

辰也くんに目をつけられたら最後……
逃げることなんて出来ないよぉ〜?






「それで迅は、辰也くんを知ってたわけだ
よく依頼を受けたね?
一ノ瀬組と関わったら、危ないって知ってるでしょう〜?」





『金がよかったんだよ
辰也のヤツ、依頼料すごくてさ

さすがに、あの金額を棒にフルことは俺には出来ねぇよ


それに危ないからこそ
逆らうと、もっとやべぇし

引き受けないとな?』





「ホント、お金が大好きだね〜」






あのパーティーでも、僕とアキラの仲を裂くために、迅に僕を堕とせと
アキラの両親がすごい金額を迅に支払ったらしいし……

ホント、迅はお金が大好きだね〜