「辰也くんが見つけた面白いものってなに〜?

あの辰也くんが気に入っているものなんて…
僕、すごく興味あるんだけど〜」




『知りたい?』






迅は、僕の方に身体を向けると
クスリと笑い、僕を見つめてきた





「もちろん」


『じゃあ、キスして?』






迅は、僕の頬に手を当てると
親指で僕の唇をなぞって、僕を見つめていた

その目に僕は、吸い込まれそうになりながらも、迅の行動が面白すぎて笑ってしまった





「フフッ……
やっぱり、迅は僕と似てるね〜?」




『そうだな…
似ている。似ているからこそ、俺は……

お前が欲しかったんだけどな…』





「あれ?
迅らしくないね〜?

迅なら、人妻でも手に入れること出来るでしょう〜?
僕を誘惑しないの?」





『無理に決まってんだろ?

お前が相手なら、堕とすことは…
ほぼ不可能に近い


まず、堕とす気があるなら…
パーティーの時に堕としてる

お前もそうだろ?
俺を堕とせると思うか?』






「う〜ん、僕は出来ると思うよ?
試してみる…?」






僕は迅の首に腕を回して、唇が触れるか触れないかのギリギリのところで
甘い声を出して誘惑した

でも、迅は僕のそんな誘惑にはドキッともせず、僕を見つめているだけだった





『……………』




「………はいはい。
僕の誘惑には乗らないのね」






僕は、黙って見つめてくる迅にムカつき
唇を尖らせて、迅から離れた





『そんな拗ねんなよ
俺じゃなかったら、間違いなく堕ちてたぜ?』



「いいもん。
どうせ僕の誘惑は、迅には効きません〜」






迅は、僕と似ている

だから、兄妹みたいなものだ
兄妹には、誘惑なんて効かないでしょう?

それと同じ


僕も本気で迅を堕とそうとは思っていないよ

兄妹を堕としても面白くもないからね…





『だから拗ねんなって
辰也のこと教えてやるからさ』



「本当〜?」



『本当本当』



「じゃあ、教えて?」






僕は、迅の言葉を聞き迅の方を向くと
迅は、苦笑いしながら辰也くんのことを僕に話してきた