〜 敦 視点 〜



「よし、出来た!
ほら、食え。敦!」


「あ、ああ…」




洸は、いきなり俺に手料理を食べさせてやると言い出し、俺は洸が何故そんなことを言い出したのかを不思議に思っていたが

洸が俺に手料理をふるまうって言ってくれたのが嬉しくて、洸の料理を素直に食べることにした



だが、予想していたとおり

洸の作った料理は、見た目からして
不味そうだった……




「ほら、食えよ。敦」


「こ、洸……
これ自分で味見したか…?」


「ん?
いや、してねぇよ」


「や、やっぱり……」




怖い…な…
食べたら腹壊しそうで……

でも、洸が作ってくれたし…
食べるしかないな…




「いただきます」

「おう!食え!」



俺は、洸が作ってくれた料理を一口食べた



「うっ……」



予想通り、ゲロマズだった…



「…………美味しく…ないか…?」



洸は、不安そうな表情で俺の顔を覗いてきたので俺はニコッと笑って大丈夫と言い全て食べた



「あ、敦…っ!」



洸は、嬉しそうに笑うと俺に抱きついてきた



や、やべぇ……
は、腹が痛くなってきた



「こ、洸……」


「なんだ?」


「次作るときは、俺も一緒に作らせてくれ
二人でやった方が喧嘩も料理作るのも楽しいからな?」


「おう!そうだな!
一緒に作るか!」




ふぅ……

これで次は、大丈夫そうだな……




後で遥の話を聞くと

洸は、わざと下手に作ったわけではなく
本気で作って、あの味だったみたいだ



やはり、これからは

俺が作るしかねぇな……