第3章
 「はぁぁなぁぁせぇぇぇ!!」抑えられている口から声が漏れだした。人生でこれほど暴れた事はないと言っても過言ではないだろう。…って待てよ?一瞬暴れるのをやめて思った。あれじゃん。この街、いやこの国に存在する人間で腕時計をつけている奴は、全員うちの高校の2年のはず。…って事はこいつ!バッとマスクをもぎ取り「何すんだよ!」という喚き声が聞こえた中俺はサングラスも取り、確信した。此奴、轟!?轟は「…まったく面倒くせぇ事になっちまったなぁ」いつもの轟の声だ。「お前馬鹿じゃねぇの?お前なんかがどうにかできる事じゃない。さっさと散れ。」俺は。これほどの屈辱を感じた事はない。俺には何にもできないだと?ふざけんな。「そんなのやってみねぇとわかんねぇだろーがよ!(焦)」俺はこれほどの屈辱、そして自分の無力さを味わった事はないだろう。エイリアン達が攻め込んだとき以上の無力さだ。何かしらねぇけど、わかるんだ。俺は此奴が何かしら溜め込んでいるって事を。「なぁにさっきからごちゃごちゃしてんだカズ、っててめぇ!仲間呼んでんじゃねぇよ!」さらりと奴はエイリアンの姿となり、俺の肉眼が追いつかないスピードでハンカチのようなものが俺の口に当てられた。なんだか…視界が…く…らく…な。