第1章

フッフッフッ…。ついにこの時が来たか!あのエイリアン達の侵略、革命から逃走してやっと安定した世の中が生まれて約半年。安全な登下校ができるようになった俺らは新たなる楽しみを生み出した。俺の名前は小田桐理玖16歳。青春真只中だぜ。なんで喜んでいるかって?なんってたって、今日は、席替えだ!クラスのマドンナ、そしてうちの高校唯一の女子、園田萌華の隣に誰がなるか…この夏を制するのは俺だぁ!園田の隣になり、告り、デートに行き、フゥゥゥ!!俺の「夏だ!青春だ!☆VIVA☆俺の青春大作戦」は成功に近づいている。ゆっくりとダンボールで出来たイカサマできないように出来ている箱を手でかき混ぜながら目を瞑り俺は「神よ、俺の指先に集まってくれ!!」と叫びながら引いた。頭の中でキターと思いながら指定された席に越を下ろすとともに笑顔できめて。やはり勝者は俺だったのだ!男達の 視線を感じながらどや顔をきめてガッツポーズをした。左には窓際に窓の外を見つめる園田。つぶらな瞳、小さな鼻、とにかく少女漫画で描いたような顔で、園田のファンクラブがこの学校の部活にあるくらいの美少女だ(ちなみにうちの高校は3つしか部活がなく、運動部、文化部、そして園田ファンクラブだ。園田ファンクラブには。能天気な笑顔が続いていたのはたったのその一瞬だけだった。

〜窓をふと見て、見えたのは黒い鳥。全てはあの黒い鳥が飛び立つ時。〜


 窓に直撃したエイリアン。するとそいつらが窓際に座っていた園田に攻撃を仕向けた。あっけなく床に叩きつけられた園田の元へ全員…?いやただ一人来ていない。ほとんどが園田に「大丈夫か!?」などと叫んでいる。もしも、彼女がいなくなったら、俺の生きがいはどうなる?何でよりによって園田が、とほとんどが思っていることだろう。そんななかで一人、嘲笑うような目で俺らの方を見下すように見ている奴がいた。あいつは轟霧斗。うちの学校でただ一人園田に恋心を抱いていない男だ…まあ話に戻ろう。ありえねぇ。何で奴は…。一人こっちに来てない彼奴を見てキレそうになったが今はそれどころじゃない。すると、園田ファンクラブ会長の一ノ瀬が教室に飛び込んで轟に「お前は何をやっている!?早く園田様を助けに行け!」命令口調で叫んだ小さなじじくさい一ノ瀬を見下しながら背がスカイツリー並みにある轟は「は?なんで俺が行かないといけないの?意味わかんねw」と嗤った。今まで我慢していた俺も流石に堪忍袋の尾が切れた。漲る力で轟の胸倉をつかんだ。「何言ってんだよ!お前が彼奴のこと好きじゃなくても、クラスメイトが倒れたんだぞ!かっこつけんのもいい加減にしろよ!!」そうして俺らの喧嘩が始まった。っといっても俺が一方的に攻撃し彼奴は一度も手を出さず余裕ぶった顔をしていた。