「リュウガお薬は?」
寝転がりすでに瞳を閉じているリュウガは薬を飲む気配を全く見せない。
「ない」
「ない?」
無いって、こんなに熱あるのに薬無しで治そうとしてるの?
無理あるんだけど!!
そんなにもしんどそうなのに、薬無いって!!
「買ってくるよ!」
とりあえずコンビニ行けば薬の一つや二つくらい売ってるはず
半ば呆れながらも勢い良く立ち上がると、
「きゃあっ」
目をつぶっていたはずのリュウガに、いきなり引かれた腕。
その勢いで私の体制は完全にリュウガに覆いかぶさっている。
「…ちょっとリュウガ!」
「行くな」
「え?」
熱のせいか少し頬が紅く染まり、前髪は汗で濡れている
「行くなよ、ここにいろ」
低くて、少しかすれてて
いつもよりさらに色っぽいリュウガの声が私の下から届いた。



