『なに、誰あの子。』





『…さぁ?私は知らない。』







『永瀬でも知らないことあんだな。』






『…私たちが幼馴染みだからって、何でも話すとは限らないんだよ。』









静かにそう言って、皐月の席に向かった。







『あ、和泉。大丈夫?』






『もー、皐月まで何言ってんの。昨日皐月が真白離れしろって言ったんじゃん。』




『…そうじゃなくて、和泉、泣いてるよ?』






その言葉に自分の頬を触ると、
冷たく濡れていた。