『…お姉ちゃん、大丈夫?白くんとケンカ、しちゃった…?』
『あー…うん、お姉ちゃんがダメダメだからだね。奏は心配しなくて大丈夫だからね!』
私は奏の頭をなでると、前を向いた。
『さ、行ってらっしゃい!』
『うん!』
奏が元気よく走って行ったのを見送って、学校に向かう。
私が学校に着いたのは、9時で。
余裕で遅刻だった。
『永瀬、今日広瀬となんかあった?』
『あ、おはよ、田辺。うーん、まぁ真白離れってとこかな。』
『広瀬朝からすっげー不機嫌なの、どうにかしてくれよ。』
『…そーゆーのは、』
゛彼女がしてくれるから゛
そう言おうとした瞬間。
『まーしろ!』
『萌香。どうしたんだよ。』
『会いに来ちゃった!』
『萌香』、そう呼ばれた女の子は、私が昨日見た女の子。
小さい頃から真白といて、私と知り合いじゃないのなら、彼女なんだよ。

