『おはよ。』






『おはよう。奏起こしてきてくれる?』






『うん、分かった。』







奏を起こしてリビングに行くと、お父さんの作ってくれた朝ごはんの匂いがした。






『奏先に食べちゃいな。私準備してくるから。』






『…はーい。』







私は制服を着て髪をセットして、リビングに戻る。
朝ごはんを食べて、奏の幼稚園の準備をして、気づけば8時。







『やば!行ってくるね!奏行こ!』






『うん!パパ行ってきまーす!』





『二人とも気をつけるんだよ。』







私と奏が家を出ると、門の前に人影があった。





『あ!白くん!』






奏は真白のことを白くんと呼ぶ。





『…真白。』






『おせーよ。奏おはよ。』






『なんで…?』






『は?一緒行ってるだろーが、いつも。』





『…。奏行こっか。真白先に学校いってていいよ。今日私遅刻しそうだから。』





『俺も行くよ。』






『いいよ。』






『…お前なんなの?今日なんかおかしくね?』





『…おかしくない。』







『こっち向けって。』






『…離して!』






思いっきり真白の手を振り払う。
奏は驚いて目を見開いてる。





『お姉ちゃん…?』






『…あ、ごめん。…今日はほんとに大丈夫だから。じゃあ。』





私は奏の手を引っ張って足早にその場を去った。





だって、真白怒ってた。
私があんな態度とるから。





だけど、私は真白から離れた方がいいんだ。
あの彼女さんのためにも。